NY通信 7月号が届きました!
米語Watch(週刊NY生活紙、朝日ウィークリー紙に連載中)- Food Desert 「食の砂漠」
米社会の経済格差が人々の食生活にどう影響するか、という議論でよく耳にするFood Desert。 「食の砂漠」とは、奇妙な表現ですが、質の良い果物や野菜が入手しにくい地域を指し、数千万の人々が住んでいると言われます。 南部・西部州の過疎地だけではなく、都市部でも、近隣に手ごろな野菜販売店がないところがたくさんあります。 殆どがマイノリティーの居住区です。 大手スーパーマーケットは貧困地域では利益が見込めないと、店を出しません。 そのような地域では、ファーストフードの店が乱立する状況が生まれ、いわゆるFood Swamp(食の沼地)になることも多いのです。 結果として住人は脂肪の多い食事を取りがちで、Obesity(肥満)に陥ることが問題となっています。 オンラインで野菜・果物の食糧を注文できるようにする試みもありますが、Food Stamp(困窮者のための食糧金券)がオンラインで使えない州が多くある上に、配達地域や最低購入額などの制約があり、低所得者層には困難が伴います。Food Desertはアメリカの貧困の一断面です。(日本でも人口過疎化によるFood Desert現象があると聞きます。)有効な対策が立てられないでしょうか?
(旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)