NY通信 8月号が届きました!
昨日は久しぶりにマンハッタンへ行きました。お店の多くは未だ閉まったままです。 開いているレストランもありますが、店の前の歩道にテーブルを並べていて屋内には入れません。街を行き交う人は以前の半分にも満たないように思いました。 日本の感染の拡大も心配です。春の日本行きをキャンセルしたのですが、次はいつ行けるのかと、もどかしく感じています。 米語Watchをお送りします。
-米語Watch(週刊NY生活紙、朝日ウィークリー紙に連載中)- Cancel Culture 人のことを一方的に切り捨てる風潮 Cancelは取り消すことですが、人間関係においては気に入らない人を一方的に非難し切り捨てることです。 原点は若者がネット上、特定の有力者、著名人やセレブを批判し、”そんな奴はCancel!”と表現すること。 今やアメリカの社会、政治のありとあらゆる局面でCancelが飛び交い、それが象徴する風潮をCancel Culture(またはCall-out Culture)と言います。 この風潮に対して、オバマ前大統領は、気に入らない人や考えを一方的に否定するだけで自己満足を得ようとするCancel Cultureは、変革を求めるための本当の行動主義ではないと若者たちに注意を促しています。 立場は違いますが、トランプ大統領は、奴隷制度を容認した歴史上の人物の彫像を倒すような行為は、歴史そのものを一方的に無視するCancel Cultureだと批判しました。 Cancel Cultureを、不満に基づく思慮の浅い行為とみるのか。それとも、一部の人々が主張するように、一般庶民による声なき声の発現と考えるべきなのか。 見方は様々です。 いずれにせよ、この風潮がアメリカ社会分断の申し子であることは否定できないでしょう。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)