NY通信、最新号が届きました!
No-knock Raid
早くも立春です。夏時間になり、睡眠が短くなった気もしますが、1日が長く感じられるのはいいことです。 ニューヨークは来週からやっと暖かくなる予報です。 久しぶりに遠くまでドライブに行きたい気分です。 米語Watchをお送りします。
米語Watch(週刊NY生活紙、朝日Weekly紙に連載中)- No-knock Raid 急襲捜査 捜査のため、警官がドアをノックしないで、つまり急襲して家宅捜査するNo-knock Raid がアメリカで議論になっています。 昨年3月南部ケンタッキー州で、警官3人がアパートの部屋を薬物捜査のため急襲し、そこに住んでいたBreonna Taylor という黒人女性が警察の銃弾を浴びて亡くなりました。 深夜の物音を不法侵入と思った彼女のボーイフレンドが放った警告弾に対して、警官側が室内に一斉射撃をした結果でした。 彼女の殺害に関して、一人の警官も訴追されなかったことで、黒人層による警察への反発並びにNo-knock Raid 手法への批判が高まりました。 今、時にBreonna’s Lawとも言われる、急襲捜査を禁止または制限する立法が広く論議されています。 警察の観点からは、事前告知すると容疑者が逃亡したり証拠を隠滅するリスクがあり、Noーknock Raidが必要とされる場合があるのでしょう。 ただ、No-knock Raidにより警察側も含めて毎年数十人が死亡に至っているそうで、この手法の危険性は明らかです。 昨年ミネアポリスで起きた、黒人フロイド氏が警官の膝に首を踏みつけられて死亡した事件の公判が始まろうとしています。 アメリカ市民の警察に対する不信感が高まる中、この急襲捜査手法の功罪にも社会の大きい注目が集まっています。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)