NY通信、最新号が届きました!
ニューヨーク州では、ワクチンを受けた人が70%を超えたそうで、コロナ関連の制約は事実上取り払われました。 マンハッタンのレストランでも大勢の客で賑わっています。アメリカ全土で、そして日本で、コロナが収束することを祈りたいです。
-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)-
Activist Investor モノ言う株主
アメリカを代表する石油会社エクソン・モービルの株主総会で、会社側が推す候補をおさえて、新興の投資ファンドが推薦した3人が取締役に選任されたことが、社会を驚かせました。会社の経営方針に見直しを迫る投資家を、日本ではモノ言う株主と言いますが、英語ではActivist Investorと呼びます。Activistは活動家、Investorは投資家です。 Activist Shareholder (株主)とも言います。
この投資ファンド、Engine No. 1は、エクソン・モービルの最近10年の業績不振を批判した上、経営の重点を化石燃料からクリーンエネルギー・脱炭素に重点を移すべきとして、環境重視派の人材を取締役にするよう提案しました。 これに他の投資会社や多くの個人株主が賛同したのです。
アメリカでは以前から、年金ファンドなどが、Activist Investorとして存在感を示していました。 従来は、株主利益のために、会社の経営に注文を付けるケースが普通でしたが、現在は環境、人権保護などの視点に基づく提案が注目されています。企業のCSR(Corporate Social Responsibility)つまり社会的責任を推進するActivismは、これからの米国ビジネスに大きな影響を与えることになるでしょう。
(旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)