NY通信、最新号が届きました。
BEIGO Watch [212] Missing White Woman Syndrome 米語 Watch [212] : Missing White Woman Syndrome 各位、 早くも10月になりました。 ニューヨークは良いお天気が続いています。 今日近くのドラッグストアで新型コロナのワクチン3回目・ブースターショットを受けました。 これでレストラン室内の食事でも安心できそうです。 コラム「米語Watch」をお送りします。楽しいメッセージをお寄せください。
米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)- Missing White Woman Syndrome 「行方不明白人女性」症候群 ニューヨークに住むギャビー・ペティートという名の若い金髪の白人女性が、婚約者と一緒にドライブ旅行の最中に行方不明になりました。男性が当局に何も説明しない中、彼女の遺体がワイオミング州の山中で見つかると同時に、男性が姿を消し、全米のメディアが事件の経過を刻々と伝えています。 事件がセンセーショナルな注目を集める一方で、この報道のあり方が、Missing White Woman Syndrome (不明白人女性症候群)という米メディアの体質を象徴していると指摘されています。つまり、この不明者が白人女性だから注目されたが、有色人種だったら無視されただろうという批判です。 実際、黒人・ラテン系などの少数民族の女性が、毎年何万人も行方不明になっていると言う現実は、ほとんど報道されることはありません。 米ジャーナリズムの世界は、他の産業に比べて、マイノリティへの差別が少ないと言われています。 しかし、20年近く前、女性黒人ジャーナリストが作り出した言葉Missing White Woman Syndrome は、今なお残るメディアのマイノリティ軽視の体質を鋭く暴くことで、人種平等をより意識し、人種に左右されない一貫した報道姿勢への転換を迫っているのです。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)