☆NY通信

最新号が届きました。
——
各位、  ウクライナ情勢が緊迫してきました。アメリカのニュースはウクライナをめぐる動きを刻々と伝えて、オリンピックをのんびり楽しめる雰囲気ではなくなってきました。賢い外交が、戦争という愚かな行為を止めてくれることを祈るばかりです。 「米語Watch」をお送りします。
-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)- Unruly Passenger No-fly List 無法な客・搭乗拒否リスト  先日、デルタ航空はUnruly Passenger No-fly Listの作成を、米政府にあらためて要望しました。 Unruly Passengerとは航空機内で規則や乗務員の指示に従わず、飛行の安全に危害を与える無法な乗客のことです。 もしこのNo-fly ( 搭乗拒否) Listに掲載されたら、全米の民間航空機にいっさい乗れなくなります。 (テロリストを対象としたNo-fly Listは既に存在します)  連邦航空局の統計によると、昨年6000人近いUnruly Passengerの事例があり、そのうち300人以上が訴追対象になりました。 飲酒などで騒いだりするもめ事は昔からありますが、最近目立つのはコロナ感染対策に従わず周囲に迷惑をかける乗客です。 彼らは乗務員の依頼や指示に反抗したり、時には暴力行為に及び、運航の危険を引き起こします。 実際、安全のため飛行機が元の空港へ戻ったり、予定外の空港に緊急着陸する事例が多発しています。  これまで各航空会社は、自衛のため独自にUnruly Passengerのリストを作り対応してきましたが、他の航空会社とは共有していません。米政府が、航空会社の要望を受けて、空の安全のためにUnruly Passenger No-fly Listを作成するのか、そしてその適用範囲は? 搭乗の自由を奪うのは超悪質な乗客に限るべきとの慎重論もあり、関係する司法省と運輸省がどのような対応をとるのか、成り行きが注目されています。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)