☆NY通信 “Classified Document”

最新号が届きました!

EIGO Watch [244] Classified Document 米語 Watch [244] : Classified Document      各位、 昨夜は地元のジャズ・クラブで、友人でジャズ作曲家・ピアニストの山崎裕さんの素晴らしい演奏を楽しみました。アメリカでは最近ジャズの人気が戻ってきているようで、客席は熱気に溢れていました。音楽をライブで聴けるのは本当に幸せなことです。  米語Watch」をお送りします。読んでいただいて嬉しく思います。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください。

-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)-  Classified Document 機密文書  Classifyは分類するという単語ですが、Classified Documentとなると機密文書を意味します。つまり政府が守秘すると決めた文書で、法律の下、その保管方法は厳密に決められ、特別の権限(Security Clearance)を有する人しかアクセスできません。米国ではClassified Documentには3つの分類があります。重要性のレベルは上から、 Top Secret (機密)、 Secret(極秘)、Confidential (秘)です。 これらの文書の不適当な取扱いは連邦の刑罰の対象になりえます。  ここ何ヶ月も、ニュースでClassified Documentという言葉を聞かない日がありません。発端は、昨年トランプ前大統領がフロリダの私邸Mar-A-Lago(マー・ア・ラゴ)で300件を超える大量の機密文書を所持していたことでした。報道によるとトランプ氏は、それを隠匿しただけでなく、当局からの返却要請に何ヶ月も抵抗し続けたのです。トランプ氏を訴追するかを決定するため、司法省ガーランド長官は特別調査官を委任し、その結果を待っています。  司法省の調査の行方を複雑にしているのが、トランプ氏の行為を批判してきたバイデン大統領の私邸や事務所でも機密文書が見つかったことです。加えて、ペンス元副大統領の私邸でも機密文書が発見されました。国立公文書館はブッシュ、オバマ、クリントン氏などの元大統領とゴア氏など元副大統領に、保有する書類の自主調査を依頼する事態となりました。この展開に、米国民の間では、国の機密保持体制の危うさに驚きが広がっています。  Classified Documentが厳重に管理されていることは、防衛上そして外交上、国家間の機密共有の前提条件です。日本としても、同盟国米国のこのような状況を無視することはできないでしょう。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)