NY通信, 最新号が届きました。
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各位、 夏が来たというのに、ニューヨークは肌寒い日が続いています。しかし、テキサス州などの南部では、40℃近い熱波や竜巻に襲われているそうで、人々の生活が大変なことになっているとニュースが伝えています。異常気象は、これからもアメリカ全体に悪影響を与え続けるのか、大きい不安を感じます。「米語Watch」をお送りします。読んでいただいて嬉しく思います。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください。直接、ご返信ください。
-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)- House Poor 家にお金がかかり、生活は貧しい・・・
友人の息子夫婦がニューヨーク郊外の立派な家に住んでいます。リッチな若夫婦だねというと、困った顔で「彼らはとてもPoorなんだ、House Poorなんだ」と。House Poorとは住宅に関する費用がかかり過ぎて、生活にお金が回らないことを意味します。 実際、報道によると、米国では人口の4分の1以上の人がHouse Poorに陥っています。これは、家計における住宅関連の費用が約30%を超える状況を指します。米国の多くの地域で、不動産の価格が大きく上がった上に、銀行ローンの金利も上がりました。典型的な30年物のローン金利は数年前は2%台だったのに、今では7%近くですから、月々のローン支払いは大変です。 家のメンテナンスにかかる費用も上がる一方です。不動産税は、物件の価値の上昇につれて高くなり、ニューヨーク市の近郊では多くの住人は年2万ドル以上の不動産税を払います。一方、アメリカの南・西部では、住宅保険料の高騰が家計を圧迫しています。洪水、山火事、ハリケーン、竜巻などの異常気象が、地域全体に大損害をもたらしているからです。 家を借りるのも大変です。マンハッタンのアパートを賃貸する人の中には、月5千ドル以上の家賃を払う人がたくさんいます。つまり家を持とうが借りようが、お金がかかり、生活は貧しい。まさにHouse Poorという表現は多くの人々の苦しい家計状況を映していると言えるでしょう。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)