NY通信、最新号が届きました。
米語 Watch [283] : Coffee Badging 各位、 今、日本を旅行中です。北海道で温泉と海の幸を楽しむことができました。仙台では、美味しい牛タンを食べました。日本は何でも美味しくていいですね。 今週の「米語Watch」をお送りします。読んでいただいて嬉しく思います。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください。米語Watch(朝日新聞、Asahi Weekly、週刊NY生活紙に連載中)-
Coffee Badging ちょこっと出社の証拠 パンデミックの間、アメリカの多くの会社でWFH (Work From Home) つまり家で働くリモート勤務を認めました。 しかし、パンデミックが落ち着くとともに、オフィス勤務を原則とする企業が増えてきました。 その動きに反発する社員がCoffee Badgingをしているという記事をよく見ます。Coffee Badgingという表現は、会社に少しだけ顔を出した後、すぐに帰宅して働くということを意味します。 Coffeeとは職場で短時間、仲間と会ったり仕事をすることを象徴した表現、そしてBadging とは、バッヂを人事管理の端末にかざして出社記録を残すこと。つまり、コーヒー一杯の時間で出社の証拠とするというわけです。 今、多くの会社では、ハイブリッド勤務という形で、会社と自宅勤務の組み合わせを認めています。 しかし、通勤をせず家で仕事をすることに慣れた社員には、 会社で一日中働くことが大きな負担なのかも知れません。 小さい子供や年老いた親を家で見ながら働くことが習慣になった人もいるでしょう。また、通勤に時間をかけるより、自宅勤務の方が良い仕事を効率的にこなせると考える人もいるでしょう。 一方、面と向かって色々談義することが職場の人間関係や仕事の質を上げるという伝統的な考えがあります。しかし、若い人々はVirtual Watercooler(オンライン井戸端会議)という言葉を使って、対面でなくてもオンラインで十分に話はできると言います。Coffee Badgingにせよ、Virtual Watercoolerにせよ、新しいスラングを見ると、社員の働き方を管理する側には難しい時代がきたと感じざるをえません。 (例文)Coffee badging is the practice of going into the office for a few hours to “show face,” which could entail coffee with co-workers or sitting in on a work meeting — but then leaving to work remotely. (CNBC) (訳)Coffee badgingとは数時間だけ「顔見せ」のために出社することで、同僚とコーヒーを飲んだり、ちょこっと会議には出ますが、その後退社してリモートで働くのです。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士) PS (ニューヨーク近郊の皆さま) 拙著「米語ウオッチ」についてのトーク&サイン会を 11月8日(金)の午後5時半からNY紀伊國屋で行います。お時間があれば、お越しください。